イオンメイト in 九州・沖縄 2024年3・4月号 vol.33

イオンメイト in 九州・沖縄 2024年3・4月号 vol.33


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は薄まり、色落ちしやすいんです」と西田さん。遠浅で波が穏やか、干満差によって海苔が適度な太陽光を吸収できる有明海は最適地なのです。有明海沿岸の海苔養殖は佐賀県や熊本県でも行われ、これらで全国の5割。佐賀県が全国1位、福岡県は兵庫県に次いで3位です。※海中に立てた支柱で養殖するのも特徴です。「海の畑」とも呼ばれる養殖場は海上に細かく分けられ、漁師は各組合の範囲内を毎年抽選で場所が割り当てられるそうです。有明海で操業する海苔養殖の漁師は現在418軒。「最盛期は千軒を超えていたんですよ」。海苔養殖は多くの作業を要し、技術の修得や設備投資が必要。新規参入が難しい側面があると言います。家族総出で作業半年間で1年の仕事漁師の海苔養殖の仕事は夏場から始まります。海苔網を樹脂加工し、「落下傘」と呼ばれる小さなビニール袋を海苔網に付けていきます。この落下傘が海中で海苔の種を育てる「養殖袋」となるのです。海苔の種は貝殻に付く糸状体(果胞子)。かき殻への種付けは前の年の3月に行います。しじょうたい海中に支柱を立て、家族総出で海苔網の落下傘に種付けしたかき殻を入れていきます。かき※統計は平成29年度から令和元年度までの平均。福岡有明海漁業協同組合連合会の業務部次長・西田裕一さん3殻入り落下傘を付けた海苔網を支柱に張り、種が海苔網に付く3日後に半量のを待つのです。「2を引き上げ、二期作用に冷凍保存するんですよ」と西田さん。万が一、一期作が病気になっても収穫が確保できるからです。海苔の収穫「摘採」は11月から翌年4月まで。夕方から明け方までの深夜作業となります。「病害が出ると数日間徹夜で回収することもあるんですよ」と西田さん。箱詰めまでが漁師の仕事と聞くと、海苔一枚のありがたみがさらに増します。イオン九州オンラインでぜひお求めください。イオン通販はこちらから!かき殻の裏に海苔の種(果胞子)をつけ、水槽の中で培養。白かったかき殻は糸状体の海苔で黒ずむ。海苔は日本では縄文時代から食され、古くは「神仙菜」とも呼ばれたそうです。福岡有明のりも有明海の栄養分がたっぷり。柳川市の「福岡有明海漁業協同組合連合会」以下有明漁連)の業務部次長・西田裕一さんに福岡有明のりのお話をうかがいました。干満差のある有明海は海苔養殖の最適地!有明漁連の管轄で海苔養殖を行っている有明海沿岸は筑後川をはじめとする大小8つの河口から耳納連山などの森林の栄養分が流れ込んでいます。「河口域は栄養素が多く、黒い海苔が育ちます。沖になるほど河川の影響が少なくその栄養


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