イオンメイト九州・沖縄 2021年3・4月号Vol.15

イオンメイト in 九州・沖縄 2021年3・4月号 vol.15


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地元味めぐり美味しく食べて、健やかに育て!九州の節句菓子鹿児島西郷隆盛も愛したあく巻きは戦の保存食9あくもうそうちく5月5日の端午の節句と言えば、「柏餅」「ちまき」が全国的ですが、鹿児島県では「あくまき」が一般的です。宮崎県や熊本県人吉・球磨地方でも見かけます。あくまきは木や竹を燃やした灰からとった灰汁にもち米を浸した後、孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮込んだ餅菓子です。灰汁のアルカリ性物質作用で雑菌の繁殖を抑え、常温でも1週間は保存できます。その起源は諸説ありますが、薩摩の島津義弘が1600年の関ヶ原の戦いで保存食として携帯したという説があります。保存性が利き、腹持ちも良いことから戦陣食には最適だったのであく0年の西南しょう。また、明治1戦争では、西郷隆盛がやはり戦地で食べていました。人吉・球磨地方でも食べられるのも、西南戦争の戦地だったことを考えればうなずけます。一方、宮崎県内では旧薩摩藩領だった都城市周辺で作られていましたが、第二次大戦中前後の食糧難で、保存ができて携帯できるあく巻きが県内に広まったと言われています。いずれにせよ、薩摩藩士の戦いの活力源となった「あくまき」が、男子が健やかに逞しく育つようにと願う端午の節句の菓子となったのは自然なことだったのでしょう。画像提供元:鹿児島県あくまきレシピ材料(約15本分)もち米…1升(1.5kg)灰汁水…1升(1,800cc)竹皮…15枚きなこ等…適宜作り方❶もち米を洗い、灰汁に一昼夜ひたし、ざるにあげて水気を切る。竹皮は水に2〜3日つけて柔らかくし、うぶ毛を亀の子たわしで取る。結ぶ紐用に、竹皮の根元の方から1cm程に3本裂く。①のもち米(140g程度)を竹皮の真ん中におき、上下の竹皮の端を中央で合せて巻き込み、きっちり折りたたむ。左右もきっちり折りたたみ、竹皮のひもで、両端と真ん中をきつめにしばる。余分なひもは切る。たっぷりの水に、包んだあくまきを入れ、落し蓋をし、水をつぎ足しながら煮る。普通の鍋で3時間)。米粒の形がなくなればできあがり。きなこや粉黒糖、黒みつなどをかけて食す。❷❸❹❺


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