イオンメイト九州・沖縄 2021年7・8月号 vol.17

イオンメイト in 九州・沖縄 2021年7・8月号 vol.17


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地元味めぐりキラキラと大きな目で身は細身でもふっくら味メヒカリ【宮崎】9深海の雑魚から一躍郷土の味へ宮崎県北部の延岡市で親しまれているメヒカリ。和名は「アオメエソ」というアオメエソ科の魚で、水深約150〜400mの深海に棲んでいます。暗い深海にいるためかエメラルドグリーンの大きく光る目が特徴で、そのため宮崎県では「メヒカリ」と呼ばれています。アオメエソは相模湾から九州南岸にかけての太平洋沿岸、日本海側でも北陸から山口県にかけて、さらに済州島や台湾南部、ニュージーランド、ニューカレドニアなど比較的広い海域にいます。福島県のいわき沖でもよく獲れ、小名浜港の名物魚です。宮崎県の場合は延岡市の鯛名漁港や土々呂港、北浦近辺でよく獲れ、禁漁期の5月と6月を除くほぼ周年漁獲されるとか。旬は7月、8月、そして12月と1月です。しかし、かつては深海のえびひき網で獲れる雑魚としてみなされていました。そんな漁の厄介者が人気になったのは、市内の老舗日本料理店が、唐揚げや塩焼きなどを提供したことから。厄介者と思っていたら身が柔らかく、脂乗りが良いにも関わらず淡白な味でヘルシー。美味しい魚と気づいたのです。さてメヒカリは深海から引き上げられる際に水圧の変化によって死んでしまい、しかも傷みやすい魚です。そのため地元でも刺身など生で味わう機会が少ないのですが、柔らかい骨は唐揚げにすると骨ごと食べられ、身がふっくらふんわりとした食感に。今ではすっかり延岡周辺の郷土の食材として定着。唐揚げや南蛮漬けなどが家庭料理、居酒屋メニュー、さらには給食に出されているそうです。メヒカリの加工品も絶品の味として人気0センチほどですが、さて、漁獲されるメヒカリの大半は体長10センチもトモメヒカリという3の大型が獲れることも。メヒカリはサイズの大小で味が変わることはありません。しかし、サイズが大きいと料理の幅も広がるそうです。ただやはり、傷みが早いこと延岡市のソウルフードとなったメヒカリの唐揚げ。


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