イオンメイト in 九州・沖縄 2023年3・4月号 vol.27

イオンメイト in 九州・沖縄 2023年3・4月号 vol.27


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無限の色が織りなす美琉球ガラスの魅力を訪ねて琉球ガラスは沖縄県民には馴染み深い存在です。贈答用にも日用品にも使え、身近な存在ですが、その歴史や技術については意外と知られていません。そんな琉球ガラスの魅力を再発見するべく、「琉球ガラス村」を訪ねました。11100年の歴史と戦後復興沖縄の自然と文化を映す3(1910)年。糸満市にある琉球ガラス村は、沖縄県内で琉球ガラスを製造・販売している工場のひとつ。案内をしてくださったのは運営会社のRGC株式会社取締役営業部長の川上英宏さんです。沖縄でガラスづくりが始まったのは明治4沖縄の職人が本土の職人から教えを受けて伝わったとされます。瓶やランプシェード、食品などを入れる器瓶として日常生活に根差していきます。しかし、戦争で工房などが焼失し、復興時にはあらゆる資源の調達が困難に。「そのため米軍が廃棄するビール瓶やジュース瓶を溶かし、再生ガラスとして作り出したんです」と川上さん。琉球ガラスの再生は文字通り再生ガラスからだったのです。そんな琉球ガラスは沖縄の自然や文化を投影していると言われます。全ての工程が人の手で為され、ガラス職人さんたちはガラスと対話しながら、ガラスがなりたい形にしていく。ガラスという冷たい質感でありながら、そこに沖縄らしい温もりがあります。再生ガラスの特徴もまたそんな親しみやすさが出るのでしょう。


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