イオンメイト in 九州・沖縄 2023年7・8月号 vol.29

イオンメイト in 九州・沖縄 2023年7・8月号 vol.29


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高級食材のうなぎはやはりひと手間かけて福岡県南部の柳川市は掘割が縦横無尽に町に引かれ、観光客を乗せたどんこ舟が行き交う城下町。有限会社龍川魚商店はこの地に1919年に創業しました。「名前の通り川魚の卸商から始まりました。店の近くにはうなぎの集荷場があったんですよ」と龍俊夫さん。市内には現在30数件のうなぎ料理店があり、かつては地元柳川で獲れる天然うなぎで賄えたそうです。現在は同商店の場合は主に鹿児島県志布志市のうなぎを仕入れています。同商店は生で、あるいは捌いたうなぎを料理店など卸しています。同時に一般家庭用に白焼きの店頭販売も行っています。白焼きは電子レンジで温め、塩、ポン酢、あるいは柚子ごしょうで頂けますが、別売りでオリジナルの「本格たれ」も販売。3家庭でひと手間かけて味わううなぎの煮込みを勧めています。「うなぎは高額商品。だからこそ、レンジで温めるのではなく、手を加えてほしいんです」。実は柳川では、うなぎをタレで煮込む文化なのだとか。柳川のうなぎはせいろ蒸しと思っていたので初耳です。その作り方は後ほど。歴史に裏打ちされた柳川のうなぎの味をさて、同商店には龍さんを含め男女10名のスタッフがおり、全員が全工程をこなせるそうです。「割きは力が要るので男性が主力ですが、焼き方は女性の方が上手ですね」と龍さん。柳川に江戸からうなぎ料理が伝わったのは江戸時代半ば。城下町という武家文化圏でもあったため、割きは関東風の背開き。蒸すのも関東風ですが、白焼きは蒸さず、捌いてすぐに備長炭でじっくり焼き上げます。しかも龍川魚商店では串は刺しませ柳川名物の川下りのどんこ舟。ゆっくりとお堀をめぐります。龍川魚商店では冷凍のうなぎのせいろ蒸しも商品開発しています。


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