イオンメイト in 九州・沖縄 2023年9・10月号 vol.30

イオンメイト in 九州・沖縄 2023年9・10月号 vol.30


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地元の老舗の味を辛子明太子の味にさて、本題の辛子明太子です。元は魚卵卸しが原点のやますえ、原料の買付けから製品作りの始まりとなります。サイズやグレードを見極め自社の製品に合う原料を妥協なく探し求めます。原料の特性を十分に理解し、仕込みに携わることで職人のこだわりがこの味わいに繋がっています。原卵を工場で塩漬けにするのも、一つ一つの塩加減を職人が手で触れて決めていきます。原イオン九州各店で販売している商品。パッケージ写真には右から白糸酒造社長、やますえの山口会長、カノオ醬油社長が。「山田六十五」の銘柄で親しまれる白糸酒造の蔵。近代的な設備と伝統的なハネ木搾りが融合した蔵元です。「醤油が美味しい」と馬場社長が絶賛するカノオ醬油の店先。この佇まいが歴史を感じさせます。卵の成熟度で塩漬け具合が異なるのだとか。じっくり漬け込んでまろやかになったところで調味液へ。そして実はこの調味液の材料に馬場社長の「郷土愛」があるのです。調味に使うのは地元糸島の老舗蔵の酒と醤油。酒は江戸時代末期の安政2年(1885年)から続く「白糸酒造」の清酒「芳醇」です。同酒造は伝統的な「ハネ木搾り」と呼ばれる製法で原酒をゆっくり、じっくりと搾ります。これによって雑味のない酒ができます。「コクがあり、ふくよかな『芳醇』が明太子をまろやかな味にするんですよ」と2年(1889年)馬場社長。醤油は明治2創業の「カノオ醤油」の本醸造醤油「すみれ」を使います。「すみれ」はコクや深みがあり、火入れによってひろがる上品な香気が明太子の味にアクセントを添え、「香りの広がりが美しい」とやますえでは表現しています。「白糸さんとカノオ醬油さんの、その歴史を頂いて明太子を作るんですよ」。そして味の決め手は調味液づくり。本醸造醤油に鰹だしと昆布粉末を加え、じっくりと火入れします。一度冷蔵庫で冷やした後に糸島の地酒、やますえオリジナルブレンドの唐辛子等を加えたら完成ですが、実は半日がかりの作業です。毎日その日の分を作るんですか?と尋ねると「もちろんですよ」ときっぱり。手間暇を惜しまない、それがやますえのポリシーだとか。「モノづくりで大切なのは価値を高めることですよ。たくさん売るより、価値を伝えること」。馬場社長の言葉には確かな信念があります。愛と価値がこもった味、お近くのイオン各店でお求めください。やますえ本社1階には直売店があり、辛子明太子はもちろん、糸島の鯛で作った加工品などもそろえています。(一部店舗では取り扱いのない場合がございます)4


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