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伝統的な寒干しでたくあん王国を守るさて、たくあんは冬場に大根を干す「寒干し」が伝統的な作り方です。かつては鹿児島県、宮崎県の県内で数多く生産されていた寒干し大根ですが、今では限られた地域でのみ受け継がれる伝統的な農産物となりました。寒干しとは葉がついたままの大根を2本一組にし、竹のやぐら棚に掛けて天日干しすること。高さ約5メートルあるやぐら棚に大根を掛ける作業は重労働です。大根の収穫が始まる1月からの作業で「吹きおろしの風が寒干し大根の生産に適しています」と南脇さん。南九州地域の風物詩とも言えます。2天日干しの期間は10日前後。この間に水分は半分ほどに失われ、一方でうま味や風味が凝縮します。実はこのたくあん用の大根は「青首大根」より長くて細く、乾燥しやすいのが特徴だとか。「白首大根」とも呼ばれているそうです。今回、発酵菌体(P菌体)で栽培にチャレンジしたのは同社グループのJAいぶすき加盟農家の7人。「8月の植え付け直前の6月にP菌体使用が決まり、急ピッチで進めました」と南脇さんは振り返ります。そして先述の通り、旨み、甘みがまして成育状態も良いことから、来年用の大根にも使用を予定していると言います。九州力作野菜の大根で作ったたくあんは、大根本来の味を活かしてプレーン味で販売します。「飽きのこないシンプルな味付けですよ」と南脇さん。切り分けタイプの100グラムです。ぜひ、イオン九州の各店でお求めください。(一部店舗では取り扱いのない場合がございます)※パッケージは変更の場合がございます2365拡大141/12月に入って大根の収穫が始まるころ、大根畑には竹のやぐら棚が組まれていく。2/収穫した「干し理想」つけほまれ」の大根をきれいに水洗いし、天日干しに備える。3/やぐらの内部から見た様子。2本1組でやぐらに掛けた大根が釣り下がる様子は圧巻でもある。4/天日干しを終えた大根は素早く、かつ丁寧に塩漬けにして工場の冷蔵庫で低温発酵させる。5/鹿児島くみあい食品の頴娃工場で選別・味つけ加工・熟成などを経て出荷へ。6/同工場の外観。頴娃(えい)工場は同社の漬物事業部門として稼働している。7