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456農業を諦めない両親の背中を見続けていました。健全な土づくりで安全な野菜づくり雲仙普賢岳噴火から8年後、田中農園は自家製堆肥づくりを始めました。そこには初代代表で現会長の父、孝さんの信念がありました。「健全な土から安全な野菜を届ける」。豊かに肥えて微生物が多く、活発な土壌こそ美味しい野菜を育ててくれます。孝博さんの案内でビニールハウス群の堆肥発酵場へ。「堆肥は約60度の発酵熱が出ていますよ」。ブルドーザーでかき混ぜるとたちまち湯気が上がりました。菌床はトウモロコシの芯、きのこ栽培に使われる広葉樹のコイルを使用。「当初は牛糞も使用していましたが、牛糞には牛が舐めた岩塩が残り、それが土にも残ってしま2174・7/収穫は専用のカマで根元から丁寧に刈り取る。右側の女性は営業統括部長で妹の酒井直美さん。5/九州力作野菜ほうれん草の生産量は年間230万袋になるという。6/会社の一画にある元直売所の作業場。約20名のスタッフが品種別に分担作業をする。1/牛糞を使っていないため、堆肥の匂いも比較的穏やかな自慢の手づくり堆肥。2/発芽して間もないほうれん草は最も弱く、夏場の栽培は暑さにも注意が必要に。3/ほうれん草の栽培期間は夏場は35日間、冬場は倍の70日間が目安。3うんです」。現在はきのこ栽培に使用した菌床を加えています。きのこ残さには窒素が少なく、繊維質が多く含まれます。菌床に米ぬかも加えて、半年間発酵させて真っ黒でサラサラの堆肥が完成します。「たまにエリンギが生えたりしますよ」と笑う孝博さん。さらに昨年春からアミノ酸発酵副生物の堆肥を加えて九州力作野菜ほうれん草に。実は田中農園の野菜は全て九州力作野菜なのです。「うちのほうれん草は生でも食べられますよ」と胸を張る孝博さんと直美さん。早速頂くと、芯まで生で食べられて美味しい!止まらない!感動!田中農園の九州力作野菜は長崎県内のイオン・マックスバリュで販売しています。(一部店舗にはない場合もございます)「葉物野菜は新聞紙にくるんで乾燥を防ぎ、立てて保存すると長持ちしますよ」と田中孝博さん。4